[char no=”1″ char=”hanjyomot”]イーサリアムのマージっていったいどういうこと?[/char]

この記事では、イーサリアムのマージについて解説、その後のイーサリアムの可能性についてお伝えします。

マージがいまいち理解できないという方は、ぜひ最後までお読みいただければと思います。

目次

1、イーサリアムのマージとは!?

2、PoWからPoSへ

3、マイナーの強制ハードフォークの可能性

4、イーサリアムクラシックは高騰する?

5、マージ完了前後(対応すべき考え方)

1、イーサリアムのマージとは!?

イーサリアムのアップデート

イーサリアムのマージとは、イーサリアム2.0へのアップデートにおけるビーコンチェーンと現行のイーサリアムの

ブロックチェーンを統合することを指します。

※ビーコンチェーン:イーサリアム2.0へのアップデート過程で、PoSを段階的に取り入れているチェーン

まず、このアップデートを理解するために、仮想通貨拡大で重要なポイントを3つ(ブロックチェーン

のトリレンマ)をイーサリアムに関連してお伝えしていきます。

分散性:○

イーサリアムであれば、特定の企業や個人ではなく、世界中のコンピーター(ノード)によって管理されているため

分散性はクリアしています。

安全性:○

イーサリアムのネットワークを乗っ取ることは、非常に困難なためセキュリティもクリアしていると言えます。

マイニング(仮想通貨を掘り出す作業)のためのコンピュータの計算力を示すハッシュレートは世界中に分散して

おり、ネットワーク全体の51%を支配し、悪意のある行為を行うことは極めて難しいです。    

拡散性:△

イーサリアムには、スケーラビリティに課題があります。

スケーラビリティとは、増え続けるユーザーのサポートをするブロックチェーンの容量です。

現状イーサリアムは、1ブロック作成するのに13秒ほどかかります。

利用者が増加すればするほど、このブロック作成(承認)作業が渋滞してしまうのが現状です。

渋滞に応じて、承認手数料であるガス代も高騰してしまいます。

このような状況を解決しようとするのが、イーサリアム2.0へのアップデートです。

2、PoWからPoSへ

イーサリアム2.0へのアップデートの内容は、大きわけて2つ。

それが、①シャーディングと②ステーキングです。

①シャーディング

 データベースを分割して、負荷を分割させること

②ステーキング

 一定の仮想通貨をネットワークに保管して、取引記録の検証に貢献して報酬を得ること

この2つを実施することで、トランザクションの渋滞を削減し、拡張性の課題を克服するのが狙いです。

また、マージに大きく関係する部分が②のステーキングです。

ステーキングを理解するために、まずコンセンサスアルゴリズムを説明します。

 ※コンセンサスアルゴリズム:取引履歴の合意形成の方法のこと

現在イーサリアムのコンセンサスアルゴリズムは、PoW(プルーフ オブ ワーク)と呼ばれるものです。

 ※PoWと:マイニングを機能させるための、経済的インセティブのこと

 ※マイニング:見知らぬ全世界のコンピュータ同士が取引記録の承認を巡って合意すること

  マイニングで具体的にしていることは、高スペックのパソコンで難解なパズルを解くこと。

つまり、PoWではパズルを早く解いた人に、報酬(BTCなど)が与えられる仕組みということ。

このPoWを今回のアップデートで、PoS(プルーフ オブ ステーク)に移行することが目的です。

 ※PoS:プルーフ オブ ステークの略称

     マイナー(マイニングを行う人)は存在せずに、バリデーターと呼ばれる人たちが承認作業を実施

 ※具体的には、例えば一定の仮想通貨をPoSネットワークに長期保管(ロックという)することで、バリデーター

  として、承認作業のタスクがランダムに与えられ、対価として報酬(仮想通貨)を獲得できます。

  現状32ETH =約810万円ほどを長期保管(ロック)しないと、バリデーターとして報酬をえることができない

 ※一部ビーコンチェーン上で32ETH以下でも長期保有(ロック)が可能になっている。

PoSに移行することで、時間も費用もかかるマイニングのような事業者の競争はなくなり、電力の消費量が抑えられ

環境にも良いとされています。

また、今回のアップデートが進めば、イーサリアムの発行量が90%減少すると言われており、ETHの価格を押し上げ

る可能性があります。

3、マイナーの強制ハードフォークの可能性

マイニング

マイニングを行うには、相当なスペックのマシンを導入し、行う必要があります。

こういったことから、今回のアップデートによってPoSに移行した場合、マイナー達はマイニングする機器だけが

残ってしまうという状況があります。(イーサリアムの採掘マシンの規模:6600億円)

こういった状況からこれまでのマイニング業者が強制ハードフォークを実施するという可能性の話もでています。

現状イーサリアムPoW(ハードフォークした場合の通貨)が市場に支持されるかどうかも不明なところですが

ハードフォークが起きる可能性も踏まえて情報をキャッチしておくことが重要です。

 ※フォーク:ブロックチェーンが枝分かれすること

 ※ソフトフォーク:一旦枝分かれするが、いずれ統合される

 ※ハードフォーク:一旦枝分かれすると、永続的に別れたまま

  ハードフォークは新通貨が出現するため、基本は事前に周知があります。

4、イーサリアムクラシックの可能性

イーサリアムのPoS移行に際して、注目が集まっているのがイーサリアムクラシックです。

同じマイニングマシンが使用可能なこともあり、直近でもイーサリアムクラシックの価格は上昇しています。

しかし、現状イーサリアムとの価格差が50倍ほどあるので、収益性の面では魅力にかける移行先になっています。

またイーサリアムのマイナーがイーサリアムクラシックに流れると、ハッシュレートも37倍の開きがあるため51%

攻撃(ネットワーク全体の採掘速度の50%以上を支配すること)の可能性も高まることが懸念されており

セキュリティ面でも不安が残ります。

現マイニング業者が、イーサリアムクラシックに流れるとは考えにくいところが大きいでしょう。

5、マージ完了前後(対応すべき考え方)

考え方

1、ハードフォークについて事前に情報収集

2、自身の暗号資産取引所の対応(主にハードフォーク後)をピックアップ
  ※新通貨が無償配布される可能性など

3、その他、保有者の動向や大手取引所の取り扱いなどの情報も取っておくと良い。

今回のマージによりスムーズにPoS移行が可能かどうか、非常に注目すべき内容ですね。

イーサリアムはビットコインに次ぐ仮想通貨として、保有者も多いため今後の動向に注目です。

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